目的地が南でも、その途中で北に進むこともある

養鶏という仕事で環境問題、地域の課題解決に取り組んでいる自然養鶏・春夏秋冬の檀上さん。

檀上さんはこんな方:

https://greenz.jp/2017/07/05/danjo_takashi/

檀上さんが立ち上げた第0次養鶏トラストに参加させて頂いて3年になります。

嬉しいリターンで月一回、小田原から檀上さんの卵が届きます。

卵30個のために、これだけの梱包資材が必要です。

「普段からゼロ・ウェイスト、プラスチック・フリーと言ってるわりには、プラスチック沢山使ってるんですねえ」

「フードマイレージを考えたら、お取り寄せという行為は環境破壊に加担するのでは?」

そんな声が聞こえそうです。

私もそう思います。

一度、檀上さんに梱包資材のリユースの可能性を伺ってみましたが、回収・保管・衛生管理など莫大に増える作業にとても手が回らないとのこと。

一度試しに資材を宅急便で返送して使って頂いたのですが、返送するのも結構な手間だったので、とてもじゃないけど寝る時間を削って働いている檀上さん側に負担はかけられないとその案は却下となりました。

上の二つの問題があるとしても、いずれそれらの問題をもまとめて解決してくれるであろう檀上さんを支援することには大きな価値があります。

大きな環境破壊を無くすため、小さな環境破壊を選択したわけです。

課題は山積みなので、一つ一つ解決していくしかありません。

そして、目標に向かっていく長い道のりは決して真っ直ぐではなく、時には道がくねって元の来た方向に向かう時期だってあります。

だからと言って目標がブレたわけではありません。

リアス式海岸を走る車を思い浮かべてください。

目的地は南でも、時には東へ、時には北へとどんどん方向は変わります。

ここはプラスチックを使わないと、プラスチックごみゼロの未来にたどり着けない、と思えば使います。

(そもそも私はプラスチックがこの世から無くなればいいなんて思っていません。

むしろ、使い捨てにされて可哀想、という同情の気持ちしかない)

私は東海道新幹線によく乗りますが、降りる時に各降車口に係員が待ち構えていて、大きなゴミ袋を広げてゴミを回収しています。

短時間であれほど大量のゴミを出すことに、どうしようもなく申し訳ない気持ちになります。

お弁当やペットボトルを買うな、ということではありません。

一人一人の、気持ちの問題。

一人一人に申し訳ないなという心が芽生えれば、今日はペットボトルを買うのをやめよう、これからお弁当買う時にもレジ袋は断ろう、という気持ちにつながります。

できることから、少しずつやればいのだと思います。

道の途中にいる他人の行動を批判しても、何の解決にもなりません。

グレタ・トゥーンベリさんがプラスチックで包装されたサンドイッチを食べてるのを揶揄したり、最新ヨットでアメリカに渡ったことを批判する人々が沢山いましたね。

他人の批判をする暇があったら、自分ができることをやることに時間を使った方が、おそらく社会のためにも自分のためにも遥かに有益です。