水俣病を忘れないために

津奈木甘夏生産者の会の無農薬の春みかんセットが届く。

水俣病のことを忘れないために、こちらの柑橘を購入し続けていつの間にか25年。

熊本・津奈木町は、水俣市の隣町。
あの、水俣病の水俣です。
環境汚染が起こした人類史上最初の大規模有機水銀中毒として世界を震撼させた公害病。

重度の障害を負った被害者の人々は肉体的苦痛のみならず、言われなき差別にも苦しみました。

水俣病はうつるから寄るな
水俣病は遺伝するから子どもは作るな

虐められ、社会から排除され、隠蔽され、病気をひた隠しにして生きざるを得なかった。
大企業を相手に訴訟を起こした勇気ある人々は、その後何十年に及ぶ長い闘いを余儀なくされた。

津奈木甘夏生産者の皆さんは元々、不知火海の漁師であり、水俣病被害者の家族です。
水銀で汚染された海での漁業を諦め、みかん農家へと転換をはかりました。
化学合成物質の恐ろしさを知っている彼らだからこそ、勉強会で農薬が劇薬であることを学び、会の誕生当初より農薬や化学肥料に頼らない柑橘栽培を実践しています。

そのお裾分けを頂けることに感謝。
少しくらい煤けてだって結構、結構。
本当にありがたいことです。

買い物という行為は、応援であり、支持であり、寄り添うこと。

私達が湯水のように享受していた便利や快適が、こんなにも多くの人々の不幸と苦しみと引き換えにあったことを、この甘酸っぱいみかん達が毎年思い出させてくれます。

経済成長を最優先してきた現代社会の負の遺産として、私達は決して忘れてはならないと思います。

津奈木甘夏生産者の会

水俣病の教訓を活かした柑橘栽培を続ける 津奈木甘夏生産者の会