lacto-vegetarianスープ環境問題

蕪のポタージュ

冬野菜が最盛期を迎えています。

市場に並ぶ立派な大根や蕪、人参、根菜が豊かなこと!

旬の野菜は採れすぎて農家さんが困るくらいに勝手に育ってくれます。

これぞ大地の恵み。

我が家では20数年来、有機農業生産者のネットワークで食材を届けてもらっています。

基本おまかせで、旬のものが届きます。

今なら大根、ほうれん草、蕪などが連続して毎週届きます。

一度友人に紹介したことがありますが、暫くしたら止めてしまったとのこと。

理由を訊いたら、「同じ野菜が続くと持て余すから」

そうなんですけどね、旬とはそういうもの。

恵みをありがたく頂いて、沢山採れた時はせっせと食べて、食べられない分は保存食にすればよいのです。

食べ物を保存するために、人類は何万年という時間をかけて膨大な経験知を積んできたわけですから、いくらでも保存方法はあります。

同じものは飽きた。あれが食べたい、これが食べたい。

勿論食べたいものを食べるのは体が欲するのだから基本的に良いことなのですが、毎日の食事において際限のない欲望を満たすふるまいはそのまま環境破壊につながります。

市場価格を維持するために沢山採れすぎたキャベツや白菜がブルドーザーに踏み潰されていく映像を見ると、本当に心が痛みます。

農家さんも辛いだろうし、命に対しても失礼な行いだと思います。

経済が命より優先されるのって、本当はおかしなこと。

「だって仕方ないじゃない」で思考停止するのではなく、解決方法をみんなで真剣に考えていきたいものです。

 

たとえば今の時期、スーパーでは大量にいちごが出回っていますが、いちごの旬は本来は春。

大型暖房機とビニースハウスで人工的な春の環境を作り出して栽培されるいちご。

不自然な環境なので病虫害にも弱く、農薬や殺菌などの対策も必要です。

なぜそんなに無理していちごを冬に作るかというと、クリスマスシーズンで売れるから。

たったそれだけのことに、化石燃料を大量に燃やしてプラスチックや農薬を大量に使用して農家さんは頑張って頑張っていちごを作る。

なんだかそれって、自然に逆らうあまりあちこちに無理を強いているような。

人工栽培・大量生産の全てを否定するつもりは毛頭ありませんが、たまにはそんなことを考えてみるのも大切ではないでしょうか。

さて、旬の蕪を使ったシンプルなポタージュ。

根の白い部分だけを使えば蕪らしい優しい味に仕上がります。
でも、葉もついてくることが多いですね。折角だから葉も一緒にポタージュにしてしまいましょう。少しえぐみが増しますが、このえぐみもフィトケミカルといって体に良いもの。

「くせがない」ということが良いこととされている現代の食のあり方に対し、「くせ」こそ本来の食べ物の持つ力であることをあらためて知る良い機会です。

特にお子様には小さなうちから野菜の本来の味を与えて、味覚を正しくキープさせてあげてください。

蕪のポタージュ

【材料】

蕪、バター、塩

【作り方】

蕪は薄切り、葉はざく切りにしてバターで炒めたら、水を入れて15分ほど煮る。

ミキサーにかけてなめらかにしたら、ほんのひとつまみの塩を加える。

 

塩は、塩で味付けをしようと考えないでください。

なので、あえて分量は書きません。

塩はごくごく微量で化学変化を起こさせ、不思議なくらい野菜を美味しく変身させます。野菜は個体ごとに味が違います。

少しずつ加えて、自分の舌で変化を感じ取ってみてください。

ただし、精製されていない粗塩であることが肝心です。

塩は本来、あらゆる生命の源です。