ごく普通の、日々の食事を作るのに、毎回食材選びで頭を悩まさなくてはならない今日この頃。
理由はいくつもあります。
古くから日本で栽培されてきた在来種の作物が凄まじい勢いで消滅していること。
遺伝子組み換え問題、農薬問題などにより、本来の自然な食べ物が減りつつあること。
特に世界中が大地を汚染する農薬や化学肥料を減らそうとしている動きの中で、日本だけが逆行して増やしています。
なぜって?
企業の利益追求を優先する国だから。
国民が国を監視しないから。無関心だから。
種子法にしても、食品表示法にしても、改悪は深刻なところまできています。
そのうえ日本の農業は輸入資材に頼る仕組みなので、昨今の世界情勢と円安でどんどん食品の価格が高騰していますね(アグリビジネスは大儲け)。
高級品でもなく、希少な輸入品でもなく、地域で生産される本来の自然な食べ物を手にいれることは今や最も贅沢でお金のかかることとなってしまいました。
さて。
怒りを声に出して訴えることは非常に大切ですが、一方で毎日食べていかなくてはなりません。
なるべく安全で、なるべくお安い食品を手に入れ、それらを使って食事を考えねばなりません。
困難が生じた時、いつも人類は知恵を発達させてきました。
農薬をあまり使わない作物、安全で安く手に入る作物は何か?
日本の風土に合っていて、四季を問わず栽培が容易な作物。
古来からある作物。
豆類、イモ類、牛蒡、ネギ、にら、にんじん、蕪、大根…葉物ならアブラナ科の野菜がそれに当てはまるでしょう。
調理法をいくつか覚えておけば、いくらでも美味しく豊かな食事が作れます。
玉ねぎは近代になって日本にもたらされた野菜ですが、全国で栽培されており、四季を通じて手に入り、しかもお財布に優しく栄養価の高い優れた野菜。
たまねぎだけを使ったポタージュを紹介します。
玉ねぎをスライスしてバターで10分ほど弱火で炒め、水を足してさらに10分煮たら、ブレンダーでなめらかにして塩少々を加えてできあがり。
コンソメなど余計なものは要りません。
玉ねぎは生食でも素晴らしい栄養がありますが、加熱するとまた別の栄養が高まります。
玉ねぎに豊富に含まれるケルセチンはポリフェノールの一種で、抗酸化作用や抗炎症作用、降圧作用などの生理作用があります。
また加熱により硫化アリルがプロピルメルカプタンという物質に変化し、これは胃の粘膜を保護して胃の血流を促す働きがあります。
良いことづくめで、胃に優しいスープなのです。