醸造という神事

ヒゲタ醤油が年に一度仕込む、特別な醤油。
その作業過程は、ほぼ神事です。
生命の循環を思えば、それは科学では今だ解明し尽くせない壮大な神秘。
醸造は、生命の神秘の基礎に位置する現象。
神事であって当たり前でしょう。
食前に手を合わせ、命の恵に対して祈るのは私たち日本人だけと言われていますが(それも私達は世界中を知っているわけではないから断言はできませんが)、食事という行為もまた私たち日本人にとっては今日においても神事と言えるでしょう。
江戸初期から伝わる伝統製法により、五節句に以下の儀式を行い、9月9日の重陽の節句に蔵出しされます。
人日の節句には、初櫂入れ式
上巳の節句には、諸味改め式
端午の節句には、諸味奉納式
七夕の節句には、秘伝極めの式
重陽の節句には、蔵出し式 そして高家神社に奉納
昨日の9月10日に届いたので、キャッチコピーでも何でもなく文字通りこれぞ本物の「蔵出し」です。
超こだわっている小さなお醤油屋さんはあるかもだけど、ヒゲタさんはそれなりに大企業なのに未だこんな利益追求を無視した製法を大切に継承されているのが素晴らしいですね。
原材料は
大豆:富山県産「エンレイ」
小麦:北海道産「春よこい」
塩:香川県産「瀬讃の塩」
そして、ヒゲタが数世紀にわたって大切に守ってきた、麹菌。
その土地でなければ、作れないものがあります。
「身土不二」という言葉の意味が自ずとわかってきますね。
2022/9/11